消費者庁は、カスタマーハラスメント(以下「カスハラ」)対策として、漫画『ぼのぼの』とコラボレーションした啓発冊子「カスハラってなんのこと?」を公開しています。幅広い世代に向けて、カスハラに対する共通認識を育み、その発生を防ぐことを目的としています。
カスハラって、なんのこと?
消費者庁はカスハラを、「顧客や取引先からのクレーム・言動のうち、要求内容の妥当性に照らして、社会通念上不当な手段・態様で労働者の就業環境を害するもの」と定義しています。
つまり、「正当な要求」であっても、それを伝える手段が暴力的・威圧的であったり、過剰な要求が繰り返されたりすると、それはカスハラとなります。一方で、消費者の適切な意見表明や、正当な苦情申し入れは「消費者の権利」として守られるべきものであることも明記されています。
ぼのぼのたちが優しく解説するストーリー仕立ての冊子
公開された冊子では、『ぼのぼの』のキャラクターたちが、スナドリネコさんからカスハラについて優しく解説を受けるというストーリーが展開されます。
作中では、「見方を変えれば見え方が違う」「多分な、お互い正しいんだと思う」といったセリフが登場し、消費者と事業者、双方の立場からカスハラの問題を考えさせられます。
現代の日本社会では、消費行動や店舗での接客のあり方が急速に変化しており、誤解やすれ違いが起きやすい環境にあることも背景として描かれています。
「お互いさま」の気持ちが、ギスギスを防ぐカギに
冊子の大きなテーマは、「お互いさまの気持ち」。
一方的な正義や押しつけではなく、「お互いにそう思わなければ、“お互いさま”にはならない」というメッセージが込められています。
消費者にも、事業者にも、それぞれの立場や事情があります。だからこそ、相手の気持ちや状況を思いやることが、カスハラの未然防止につながると伝えています。
消費者も事業者も、知っておきたい内容
消費者庁の特設ページ「カスタマーハラスメント防止のための消費者向け普及・啓発活動」では、この冊子が公開されています。本冊子は主に消費者向けの啓発を目的としていますが、事業者側にとっても参考になる内容です。
現場で働く人々が安心して働ける環境づくりや、消費者とのより良い関係づくりのために、事業者側もこの冊子を手に取ることで、何らかのヒントが得られるかもしれません。